本日12月12日より、個展『対』始まります。
『宮本武蔵』は、文庫本で8巻ある一大大河小説で、ストーリーを一言で説明するのは難しいですが、私の理解では、一人の人間が、持っている力を使って、どのように自分を取り巻く世界と関わっていくのか、という物語なのではと思っています。
孤独の中で育ち、野性的な強さを持った主人公が、人と出会い、戦い、語らう中で、人間としての正しい生き様を模索していく。そしてまた、彼の周囲の人々の生き様にも、彼自身の存在が強く影響していく。その様を、登場人物の一人一人について、最後まで見捨てることなく丁寧に描いています。
展示では、武蔵とその人物や出来事の関係性を表していると感じた一節をつけてあります。
私も一枚一枚の絵を描きながら、それぞれの人物の人生に思いを馳せ、共感を込めて描きました。そしてどの人物も好きになりました。
そして、私自身が絵を描く者として、それぞれの絵に、やってみたい表現を設定して挑戦しています。
沢山の方にご覧いただけること、願っています。
これから6日間、どうぞよろしくお願いします。
山本祥子